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My writings on this area are my own delusion

Let's start your own 1on1.fm (僕が考える最強の 1on1 のための地味な Tips)

文章を書きたい欲も書きたいネタもあるのだけどまだ書けないことが多いので、あたりさわりのないところで自分のなかにある 1on1 Tips というのを吐き出してみようと思った。

みなさんやってますか? 1on1 。狭義には会社の上司との1対1の定期ミーティングを指すのでしょうか?広義には会社内、あるいは社外の誰かとの1対1で話すコミュニケーション全般を指すのではないかと思いますが、ここでは主に

  • 上司との、
  • 定期的な、
  • 1対1の、

報告・相談・連絡・メンタリング・コーチングのミーティングとして扱います。間違ってもバスケのほうの話ではなくてビジネスシチュエーションのやつです。

外資、あるいは Web や IT 系の業界では 1on1 は本当に一般的なコミュニケーション手段になってきたのではないかと思うのですが、やり方は会社や人によってかなりばらばらだし、扱う話題の方向性も色々です。もちろんそういった懐の深さというか良く言えば柔軟、悪く言えば曖昧なところが 1on1 という活動と呼び名が普及している大きな理由の1つなんでしょうね。そうはいっても 1on1 を効果的に実施するにはやはりコツや勘所があると思います。実際 1on1 をテーマにした書籍は多数あります。

1on1 をサポートする SaaS サービスなんかもあります。

kakeai.co.jp

ただ、僕はどれも読んだことも使ったこともまだありません。ここでは、僕が今までの社会人経験数社で培った 地味な 1on1 Tips をもくもくと列挙していきたいと思います。

1.リアルタイムでコラボレーション編集できる議事録を作る

これはやってる人多い印象。お互いに話しながら雑にメモ取ればよし。 Google Docs とかで必要十分に使える。1on1 のたびに日付をタイトルフォントで書いて区切っておくだけにして、ページやファイルを分けたけしないこと。1on1 の議事録に時系列以上の構造化の必要性はないのでシンプルに保つ。1pagerならブラウザのページ内検索で全文検索できてラクでよい。

2.議事録には事前に話したいネタを書いておく

いわゆる Agenda です。ただい、そういう外資っぽいというか意識高い言いまわしはやめる。堅苦しいし真面目な話をしなきゃいけないプレッシャーがうまれてよくない。おすすめは Show notes と勝手に呼ぶことです。そうすると、なんか上司と2人で Podcast 配信してるみたいなカジュアルなノリになる、かは知らないけど少なくとも堅苦しさは軽減します。

3.なんだったら録音する

やりとりを録音して、音声ファイルのリンクを議事録に都度付けておくのもおすすめ。カジュアルにメモを取ってるを色々取りこぼしたり忘れたりするので振り替えれるように。Podcast を収録してる感が増す効果も。注意点は録画しない。してもいいけど音声ファイル化しておくほうがおすすめ。別に自分の顔とか見たくないし。上司も振り返って顔何度も見られたいわけではないだろうし。画面共有を残したいから動画で残したい?という気持ちは分かるが個人的な感覚では大げさ。ホワイトボーディングとかしたなら成果物をスクリーンショットして議事録に貼り付けとけば十分。あと、上司には当然事前に録音の許可を取ろう。特にオンラインだと簡単に録音録画できちゃうので、そこは配慮。

動画より音声ファイルのほうが良いところに、データ量が軽いというのもある。なんでも軽いほうがいい。保管にも移動にも再生にもストレスがないので。

4.Show notes (話したいネタ)は日常思いついたときに随時追記する

とりあえず何でも書く。上司も部下もお互いに書く。後から消してもいい。別に Show notes 全部を消化する義務はないので、そのときはピンときたけど 1on1 の時点では解決してたとかもう気にならなくなった、とかはよくある。ただ、そういう日常の自己解決の小さな曲折浮沈みたいなのも上司に Share しとくのは実は良い。部下が何に悩んで何を自己解決して、何に助けを求めているか、上司は俯瞰して把握できる。僕はいつも思いついたことは専用の Slack 1人部屋に投げつけといて、あとでコピペする(自動化すればいいのにね)。

5.Show notes (話したいネタ)にラベル付けしとく

タグ付けというほうが正しいのかな。見栄えや装飾はどうでもいいので

【ゆる募】【北斗の件】 北斗の社内モジュールのバージョン統一がいつか事故りそうで早めに解決したいけど影響範囲広くてどうしよう

のような感じで墨付きカッコをよく使ってた。

僕がよく使ってたラベルは次のようなの。

  1. 重要度/緊急度
  2. 目的
  3. 業務内容

6.重要度/緊急度ラベル

こんなの。

  1. 【やばい】
  2. 【そのうち】

別に【重要】とか【緊急】とかでもいいと思う。どのトピックから話すべきか明確になってよい。

7.目的ラベル

目的というか、上司に何を求めて議題にあげたか、という意図。こんなの。今から話す話は、相手にアクションを求めているのか、アドバイスを求めているのか、ただ聞いて欲しいのか、上司側からするとそれが分かると聞きやすい。

  1. 【sync】:ただ、活動や結果の報告。プライベート含む。
    例)XXXの実装が終わった。XXXのリリースで事故った。確定申告終わらん。
  2. 【ask】:お願いしたいことがある。自分ではなく上司に動いてほしいことがある。 相談したいことがある。
    例)XXXの件でXXXさんの助けががっつり必要になるのでリソース調整して欲しい。無理めなら他でできそうな人を探して欲しい。
  3. 【help】:具体的に何を頼んでいいか分からないくらいにしっかりめに助けてほしい課題や困り毎がある。【ask】より強いトーン。
    例)XXXのプロジェクトが全然進んでいない。メンバーの僕とXXXさんの関係もほぼ破綻していて体制変更かテコ入れか解散かするべきと感じる。どうしよう。
  4. 【ポエム】:いまのところ特に意見やレスを求めていない。ただ感じたこと気付いたこと、未だまとまらないエモいなにかなど。
    例)先日のXXXさんの問題提起、個人的には勝手に一人でやってろ、と思うがそういうふうに考えている人が社内に増えているんであれば僕も言いたいことがある。けど怖いので言わないです。
  5. 【雑談】:アイスブレイクや親睦などの意図もあるやつ。プライベートネタ含む。重たい話ばかりだと疲れるので、いくつか書いておいて、時間がなければスルーとかでいい。1on1 の場でスルーしても上司は読んでるので、ランチしてるときとかなにかの機会に話のネタになったりもするので良い。
    例)ウデマエけっこう上がりましたよ。

8.業務内容ラベル

これは、何のプロジェクトや案件の話か最初にぱっと伝わったほうが話が早いので、という面白みのないやつ。

  1. 【エンジニア採用】
  2. 【XXX移行計画】
  3. 【XXXポストモーテム】

とか。

9.1on1 の目的やゴールを明確化しない

これは、逆説的にむしろその 1on1 の目的次第ではあるのだけど、僕の今までの経験でいうと上司との定期的な 1on1 というのは困っていること全般を前に進めるための最後の砦という側面が少なからずあった。もちろん、そもそも上司だからこそ相談できない悩みや困りごとというのもあるので何でも 1on1 が解決の入り口になるわけではない。上司との人間関係に悩んでて上司にそのまま相談できる人はいない。できるなら普通に解決する。そういうのは置いといて、上司で何かしら力になれる全てのことに対して上司を巻き込むための最後の砦という感じ。なので、あえて 1on1 はある程度ゆるく場を保つ。

10.じゃんじゃんスピンオフする

1on1 の目的や空気はゆるくていいと思うのだけど、しかしながら「 1on1 で話すのには適さないトピック」というのもたしかに存在する。2人で議論しても決定権がないこと、そもそも None of your business 的おせっかい案件、関係者みんが認識して前に進めるべきこと、などなど。そういうのが 1on1 に入り込んできて、あわよくば白熱してしまいそうなときどうするか。個人的には一次窓口としては 1on1 で受け止めるべき(なぜなら前述の「最後の砦」としての役割があるので)、そのうえで適切なチャネルに移譲したりスピンオフさせたりするのが上司のとるべきスマートな対応なんじゃないかと思っている。そうやって、こぼれ球を拾いつつでもそこに貴重な 1on1 自体の時間を浪費せず、そしてあなた(←上司)が思い描く「本来 1on1 で話すべきこと」に適切に時間を避けるように誘導する、というのがベストなファシリテーション

  • 「この課題は、XXXプロジェクトの定例でみんなに意見を募って解決すべき問題だから、私(←上司)のほうで次回アジェンダに入れておいて、あなたにもはじめに話をふるような進め方にしようと思うけどどうだろう?」
  • 「その仕事はあなたが担当すべきものではないので、そこをミッションにされているXXXさんという人がいるから、彼にアドバイスとして情報共有しておくよ。あるいは、一度XXXさんと軽く雑談する機会でもセッティングしようか。僕は入っても入らなくてもいいけど。」
  • 「それって、まあ単なる愚痴だよね。気持ちは分かるから、明日の飲み会で詳しく聞くよ(たぶん)。」

まとめ

書いてみて思ったのは、上司視点と部下視点が混ざった Tips になってしまった。でも、打ち合わせ全般においてそのアウトプットを最大化する鉄則は「参加する相手の立場になって考え行動する」だと思っているので、1on1 も上司は部下の、部下は上司の、何を話したくて何をしたいと思っているか、を汲み取るのが大事なんだろうなと気付き。

それから、僕はこれまで 1on1 を「自分の仕事成果を最大化するために上司をいかに利用するかを話し合う時間」というふうに捉えることが多かったので、そういう視点が暗にベースラインにあるなー、というのも書いてみて感じた。会社によって程度の差はあっても上司のミッションには「部下に成果を出させる」というのが入っているはずなのでたぶん間違ってはいないと思う。

最後に、みんなどんな 1on1 してるのか、よく考えたら人の 1on1 見たことないので興味が湧いてきた。教えてほしい。もしくはモブプロみたいに 1on1 見学させてほしい。